テロメアを伸ばす運動方法

テロメアの短縮を遅らせる方法として有効と言われているのが「運動」です。身体を動かす活動を多くしている人たちは、あまり、あるいはほとんど運動をしない人たちに比べて、大きな精神的・肉体的ストレスを受けた時にテロメアへのダメージが少ないことが確認されており、一般的に週に3回、各回につき45分間の運動を行えばテロメラーゼが増加することも、テロメアの過去の研究で明らかになっています。

 

それでは、なぜ運動がテロメアに好影響を与えるのかというと、適切な運動をすることで酸化ストレスや炎症を抑えることができ、結果的にテロメラーゼの増加につながるからとされています。

 
具体的には、始めに運動をすることで短期的には「フリーラジカル」を生み出してしまい、この量が抗酸化物質の量を超えて酸化ストレス状態を引き起こしてしまうのですが、その後定期的に適切量の運動をやり続けることによって、身体が抗酸化物質を生み出していき、フリーラジカルと良きバランスで共存してストレスを軽減することにつながっていきます。
 
* フリーラジカルは、テロメアを短縮させる原因の1つと言われています。

 
そして、抗酸化物質とストレスの軽減が続くことで免疫機能がうまく働くようになり、炎症や老化の防止、テロメアの長さを維持することへとつながっていくのです。

 
これらのシステムを証明する事象として、2つの研究が知られていますが、1つ目は中程度の有酸素運動を1回45分間、週3回ペースで6ヵ月間継続すると、テロメラーゼの量が2倍になったという研究があります。この研究では、鼓動が激しくなるような短時間の強い運動と回復期を交互に繰り返す高強度インターバルトレーニング(HIT)でも同じようなの効果が得られています。

 
また2つ目が、筋肉に抵抗負荷を加える動作を繰り返すレジスタンス運動を行うという実験で、この実験結果ではテロメラーゼ活性の効果は認められていません。

 

これらの研究から、ウォーキングや自転車等を利用した適度な運動をすることで、テロメアに関連するタンパク質(テロメアを守るテロメア結合タンパク質TRF2など)の働きを向上させたり、細胞老化の重大マーカーであるp16の減少につながることが判明しており、とくに心血管系の健康がテロメアの長さに大きな影響を与えることが分かっています。

 
なお、筋肉トレーニングとテロメアの伸長との関連性は、いまだ研究で認められていませんが、骨密度を維持あるいは改善したり、筋肉量を増やしたり、平衡感覚や運動感覚を養ったりするためには必要な運動であると結論付けられています。

 

(参考文献: 細胞から若返る! テロメア・エフェクト / Elizabeth Blackburn, Elissa Epel, 森内 薫, 2017)
(参考文献: 老化はなぜ進むのか BLUE BACKS / 近藤 祥司, 2009)
 


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