目次
● TAT(未病解析検査)
1. 細胞老化分析サービス
2. 疾病リスク診断サービス
3. 13種がん一括検査
TAT(未病解析検査)
TAT(未病解析検査)は、様々な検査によって患者さんの健康状態を総合的に把握して、それらを疾病予防や治療を行う根拠・エビデンスとして使用することを目的としており、大きく「細胞老化分析サービス」「疾病リスク診断サービス」「13種がん一括検査」の3種類の検査に分かれています。
1. 細胞老化分析サービス
まず「細胞老化分析サービス」として、「白血球テロメア長解析」と「主要器官機能の老化バイオマーカー」があります。
「白血球テロメア長解析」は、2010年に設立されたスペイン国立がんセンターのスピンオフ企業「LIFE LENGTH」社が行っているサービスで、染色体レベルでテロメアの長さを個別に測定することができます。具体的には、全身の細胞に相関性を持つ約10万個の白血球を解析し、すべてのテロメアの長さのヒストグラムを取って総括的に評価を行います。
また「主要器官機能の老化バイオマーカー」は、脳や肺、皮膚、心血管、免疫機能などの老化度を測定する臨床検査機器のことで、健康や寿命に影響する生理的な変化を複数の指標を使って長期観察し、老化度を算出して総合的な健康状態を把握していきます。こちらは約8年前からソフトプログラム化され、すでに世界7ヵ国で450診断、150種類のデータが閲覧可能となっており、とくに経年的なデータを患者さんに見せることで健康や老化に対する意識が向上するケースが多いそうです。
2. 疾病リスク診断サービス
次に「疾病リスク診断サービス」として「腸内細菌叢検査・解析」がありますが、これは健康や長寿のカギが腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスにあることが近年の研究で明らかになっていることで、非常に重要な検査サービスと言えます。
一般的に、腸内環境が悪い人はアトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患や、肥満・糖尿病といった生活習慣病になるリスクが高くなることが知られており、この検査ではその人が持っている腸内環境を検査・解析して、健康状態や疾病リスク、さらにその予防方法や改善方法をレポートとして出して、腸内細菌をコントロールすることを目的としています。
3. 13種がん一括検査
最後に3つ目の「13種がん一括検査」では「エクソソーム(miRNA)検査」というものがあります。エクソソームとは、1983年に発見された直径約30~100nmサイズの細胞外小胞のことで、2007年にエクソソームの中に多くのRNAが存在することが発見され、国立がん研究センター(日本)の落谷主任分野長により細胞同士の情報伝達を担っている細胞外小胞であることが解明されました。
検査方法は非常にシンプルで、1滴の血液に含まれるエクソソームから「miRNA」を解析して、肝臓がんや膵臓がん、卵巣がんなど合計13種類のがんを判別することができます。
* 13種類のがん: 神経膠腫, 肺がん, 肝臓がん, 胆道がん, 胃がん, 食道がん, 大腸がん, 膵臓がん, 肉腫, 膀胱がん, 前立腺がん, 卵巣がん, 乳がん