Q.テロメラーゼ酵素を活性化するにはどのような方法がありますか?
A.一般には、レスベラトロールやポリフェノールなどの摂取が知られているようです。
若さをサポートする「TAM」や、赤ワインの成分として知られる「レスベラトロール」、その他茶カテキン、フラバンジェノール、スチルベン、アスタキサンチン、リコピン、クリプトキサンチンといった「ポリフェノール」などを摂取することで、テロメラーゼ酵素の働きに良い影響を及ぼすことがこれまでの様々な研究で明らかになっています。
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また、2019年12月の「FRIDAY Digital」では、宇宙空間とテロメアに関する興味深い記事も掲載されました。その記事によると、国際宇宙ステーション(NASA)で宇宙飛行士として働く一卵性双生児のスコット・ケリー氏とマーク・ケリー氏により、宇宙空間での滞在がテロメラーゼに何かしらの影響を及ぼす可能性が指摘されたとのことです。
2015年に宇宙船の中で約1年間(340日)滞在したスコット・ケリー氏と、地上で生活し続けたマーク・ケリー氏を比較した経過観察により、宇宙に滞在していたスコット氏が持つ染色体のテロメア構造が、地上生活していた兄弟よりも長くなったという研究結果が発表されました。一卵性双生児の場合、同じ遺伝子を持つということが一般的には言われていますが、今回の研究でDNAの先端部分のテロメア構造に明らかな相違がみられたというわけです。
テロメアとは、1939年にバーバラ・マクリン・トックとハーマン・J・ミラーによって発見された、人間のDNAの染色体末端に付属している粒子物質で、現在ではテロメア構造が長い人ほど長生きするということが様々な研究によって判明しています。そしてテロメア構造は、人間が生きている中で細胞分裂が繰り返されることによって少しずつ短くなっていき、テロメアが消失することで細胞分裂が永久に停止し、人間は寿命を迎えるというシステムになっています。
また、経年的に細胞分裂によって自然短縮をしていく以外にも、精神的ストレスや有害物質、悪い食生活などで生じる活性酸素、酸化ストレスなどで、通常よりもテロメアの短縮が早くなると言われており、つまりはテロメラーゼの不活性化へとつながっていくとされているのです。
今回発表された研究では、宇宙空間に一定期間滞在することでテロメア伸長が生じることが確認されましたが、じつは「一般相対性理論」では、重力が大きい場所の近くにいるものほど時間が遅く進むと考えられており、重力がある地球よりも重力が軽い宇宙ステーションにいる人の方が老化が早く生じると言われてきました。しかし、この一卵性双生児には、全く逆の結果が起こっており、その理由はいまだ明らかになっていないのだそうです。
ただ、宇宙に滞在していたスコット・ケリー氏のテロメアは、地球へ帰還後2日目から縮み始め、半年後には地上に滞在していたマーク・ケリー氏とほぼ同じ長さになってしまったということです。