テロメアで美容アンチエイジングできる?

Q.テロメアが長くなると、美容やアンチエイジングにも影響しますか?

 
A.テロメラーゼと幹細胞が、美容・アンチエイジングを考えるキーワードになるようです。

 
白髪、シワ、シミ、たるみ、肌のカサつき、腰痛など、年齢を重ねることで人の身体は徐々に老化していきます。そんな老化を遅らせて若返り・アンチエイジングに最適な方法として一般的によく言われることは、新鮮な酵素を含む食事を食べること、適度な運動をすること、心理的ストレスをためないことという3点です。

 
たとえば、日々ビタミンやミネラル、酵素バランスが良い果物・生野菜といった食事や、納豆・大豆食品など女性ホルモンの手助けとなる食生活を心がけたり、毎日「100-あなたの年齢」分のウォーキングをする、コンドミニアムのプールで泳ぐなど適度な運動を取り入れること、さらにはできるだけ心理的ストレスを感じないような生活を心がけるなど、健康に良い生活習慣を送るというごく当たり前のことを継続して行っていくことがこれに当てはまり、結果的に身体的・精神的な若返りやアンチエイジングにつながっていくわけです。

 

これらの生活習慣を継続的に続けることができれば、身体内の細胞が常に活性化された健康な状態になり、とくに血液系、神経系、消化管上皮、表皮、骨格筋など様々な細胞に分化(分岐)する前段階の大元細胞である「幹細胞」が活性化されます。また、幹細胞が活性化することで、体内の骨髄や上皮細胞など再生系組織から多くのテロメラーゼが分泌され、それが各細胞のテロメア伸長・修復につながり良い健康状態の循環が生まれます。

 
つまり、「人の老化=幹細胞の老化=テロメアの短縮」「人の寿命=幹細胞の寿命=テロメアの消失」ということになり、美容効果やアンチエイジングで幹細胞の状態が重視されるのも、髪の毛や爪、皮膚などの修復・再生が可能なのが、各組織の幹細胞が活性化してテロメアを伸長するテロメラーゼを多く分泌している時だからなのです。

 
実際、身体に点在している幹細胞を老化させるようなことをしないで活性化できれば、老化によって引き起こされる不調や病気が生じにくくなり、逆に髪や肌つや、内臓機能などが若々しくなることで長寿につながると言われています。たとえば、幹細胞の移植による美容・アンチエイジングがありますが、これはまだ若い幹細胞を骨髄(骨髄幹細胞)や脂肪組織から採取して培養し、それを点滴や局所注射などで対象組織に戻すことで細胞を若返らせるという考えのもとに成り立っていると言えるかもしれません。

 

一方、上記3つの若返り・アンチエイジングに最適な方法とは真逆の生活習慣を続けることは、結果として老化を促進させる原因になり、体内で多くの活性酸素を発生させ、それらが酸化ストレスとして細胞内に慢性炎症を生じさせるケースがあります。慢性炎症は様々な病気の要因となるので、それがそのまま老化の原因ともなり、負のサイクルに入ってしまうのです。

 
ちなみに、「幹細胞の活性化=幹細胞の細胞分裂」であり、細胞分裂が繰り返されて分裂限界点までくると人は死に至るので、いくら若返りやアンチエイジングが可能だと言っても、残念ながら永遠の命は手に入れることができません。

 

(参考文献: 別冊日経サイエンス 人体の不思議 / 日経サイエンス編集部, 2018)
(参考文献: 幹細胞 活性化で若返り! 夢をかなえる5つの方法とは / 講談社,2019)
 


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